創立30周年記念挨拶


平成2年8月4日発行 
創立30周年・トキワ工業株式会社
 記念誌より

創立30周年記念
ご挨拶



代表取締役社長

佐藤 務


この度私共のトキワ工業株式会社が無事に創立三十周年を迎える事が出来ました。
これを機会にCIを導入し、
企業イメージの向上をはかると共に記念誌を発行する運びとなりました。
これもひとえに皆様方のご支援ご指導ご協力をいただきました
賜物と深く感謝致しております。


弊社は昭和三十五年八月東京大森にてオイルエレメントのプレス加工を
主たる業務とし、個人創業致しました。昭和三十七年二月に法人組織に変更致し、
これを機に常緑樹の総称であるときわ木より社名をとり、
私を含め7名で、トキワ工業有限会社がスタート致しました。

その時の気持ちは、いかなる困難にもくじけることなく風雪に耐えて緑を失う事のない常緑樹の如き強さをもって繁栄を継続したいものと希ったのです。
合わせて私も若かったものですから、会社とするからには、何のために、
何を目的とした経営を行うのか理屈っぽく自問自答いたしました。

所謂企業は利益の追求であるとか、法律的には株主のものであるとかの
既成概念とは違った何かを考えたかったのです。
そこで生まれた企業理念は少し抽象的かもしれませんが以下に述べる通りです。




『経営方針』




「責任ある仕事をし、協調の精神をもって、
皆の幸せをつかむまで、限りなき前進をしよう。」







さて、あらためて振り返ってみますと、
三十年という歳月は私にとりましても大変長いようでもあり、
又、あっという間の三十年でもありました。
私流に表現すれば風速三十年無我夢中の三十年であったと思います。

創業当時は高度経済成長のさ中、仕事も忙しく、
まさに寝食を忘れ毎日、夜の十二時を廻っても仕事を続け、
明け方までになるのも再々でした。まさに作れば売れる時代であったと思います。

しかし苦労がなかった訳ではなく製造業永遠の課題である、
品質、納期、コストの全てにおいてユーザーの厳しい要求に応えて参りました。


プレス加工は近代的な量産手段として最も秀れた方法の一つと考えています。
それは金型によって均一な製品が大量に安く作れるからです。
良い金型があってはじめて良い製品が生み出せます。
その為に私達は創業の時よりプレス加工のみではなく金型も作って参りました。

今後もQDC確保の為には一段と高度な生産技術力が要求され、
企業とそこに働く人に創造力が求められます。
又最近はプレス単部品のみならず、
複合したアッセンブリ製品の受注も多くなって来ました。

これらの製品を製造する為には、
専門の技術を保有する異業種企業との連係が不可欠であり、
現在五十社程と交流を持っています。
そして、これらの交流の中より新たな創造が続々と生まれて来ています。


企業で創造的に働く事は人間としての喜びであり、幸せな事だと考えています。
仕事を通じ自己と会社を進化向上させる事は自然の理にかなっていると思います。
そんな人間集団と、働きやすい自由闊達な職場風土を作って行く事が
私達の務めだと考えています。

そのような共通する価値観に基づく優秀な人材によって技術的な発明発見が生まれ、
ビジネスとして成りたち、人と企業が発展してゆくことが出来ますならば、
こんな素晴らしい事はないのではないかと思っています。

トキワ工業はそのような人材育成のために十年前よりTQCを導入し
QCサークル活動や提案制度、各種の勉強会等を行って参りました。
又、年度方針は「向上」をメインテーマにし、
サブテーマは「夢を語ろう、考えよう、実現しよう」としています。

社員と共に、未来の夢を語り合い、具体的な目標を策定し
、新たな気持ちでスタートをしようとしています。
そして厳しい時代の変化に対応し、社会のニーズに充分に応える企業にならんとして
社員一同と共にこれからも努力して行きたいものと思っています。


創立三十周年を迎えるにあたり、創業当時を振り返ると共に、
今後に向けての新たな決意を申し上げました。
最後になりましたが、皆様方のご支援に対し、深く感謝致しております。
又今後共従前にも増して変わらぬご愛顧をお願い申し上げます。
これをもってご挨拶とさせて頂きます。



2000年08月04日