平成26年 創立記念朝礼
ー創業以来54年 まだヒヨコですがー
平成26年8月4日(月) 厚生棟大会議室 午前8時より
皆さんお早うございます。
今日は8月4日となりましたが、創立記念日の8月1日に創立54周年となりました。
ですから、今日は55年目の始まりだとも云えます。
月日の流れは早いものです。
創業以来満54年もの長い年月、無事に今日を迎えました事を、
皆さんを初め、関係するすべてのお取引先の皆様に対しまして、
感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
私達の会社が仕事を通して、
世の中になくてはならない会社となるよう皆さんと共に頑張って参りたいと思います。
ところで、記念日というのは沢山ありますが、2月11日は何の日か知っていますか?
そうです、建国記念の日です。
この日は動かす事はできませんので、ハッピーマンデーにはなりません。
戦前は紀元節といいました。
日本の国は建国以来、2,700年近い歴史があります。
正確に云いますと、今年は紀元(皇紀)2674年となります。
そのことは今から1,300年前に書かれた日本最古の歴史書である、古事記や日本書紀に、日本の国の歴史として伝えられています。
ですから、今年は西暦でいいますと、2014年という事ですが、
日本の国の歴史の方が700年くらい古いという事になります。
古い方が良いという分けではありませんが、我が国では神武天皇が国家を統一し、即位した年を皇紀元年とし、現在まで2,700年近い歴史があるという事を戦前までは教科書で教えていました。
しかし、戦争に敗けてからは、日本の国は悪い国であり、神話の世界で証拠もないという事で、教科書も書き替えられて今日に至っています。
しかし、戦勝国の欧米では、イエス・キリストが生まれた年を西暦元年として、今日は2014年としています。
キリスト教では聖書に、イエス・キリストを生んだ聖母マリアは、天使が現われて神の力によってキリストを生んだとされていますので、キリストには父親はいません。
しかしキリスト教の信者はそれを信じて疑いません。
科学的にも生物学的にもありえない話なのですが、それでいいではないですか。
神話の世界で、証拠もないというのと同じかもしれませんが、ロマンがあって良いと思います。
一神教では神様は絶対神で、宗教の争いで血を流すよりは、八百万の神(*1)がいるとされる神道の方が、宗教の争いが無いだけでも良いと考えます。
"元日や 一系の天子 不二の山"(*2)これは有名な俳句ですが、日本の国の伝統的なお国柄を感じます。
神武天皇以来125代に亘って、平成の今上天皇までつないだ歴史を持った国は世界に例がありません。
神道の国日本らしい句ではないかと思います。
日本人として生まれて良かったと誇りを持って良いと思います。
何かにつけ、いいがかりをつけてくる近くて遠い国等に生まれなくて良かったと、つくづく思います。
さてこの8月は、ベルクス第53期の決算月です。
残念ながら、今期の目標に対して売上ではマイナス5%、利益では前期の約半分となる見通しです。そのような訳で、今期の利益配分はありません。
アベノミクスで、一部大企業では好決算となり、経済も回復しつつあるようですが、私達中小企業にまで廻ってくるのはまだ先のようです。
その大企業といえども、国内での成績はあまり良くなくて、円安の効果もあってかグローバル化による、海外での利益が加算された結果の好決算のようです。
逆に円安がマイナスの効果となり、主として輸入に頼る企業は思わしくありません。
どうやら私達製造業もマネーゲームの仲間入りしたかのようです。
グローバル化に背を向けた、私達の会社も大変難しい局面に立っています。
年内には燃料電池車の発売も始まります。
一部その部品も受注したとはいえ、燃料電池車の部品点数は半分以下となり、普及すれば、仕事も半分となってしまいます。
価格が高いため普及するのはまだ先のことになるとは思いますが、油断はできません。
私達のように、国内に特化した企業は、幅ひろい分野に営業範囲を拡大していかねばなりません。
あれは出来て、これは出来ませんなどと云っている場合ではないのです。
去年の8月に話した五つの禁句(*2)を胸に秘めて仕事に取り組んで下さい。
我が技術部門のオークでは、5月決算が確定しました。
売上では、前期に対してマイナス1.3%とほぼ前期並みの売上を確保しました。
材料費や機械のリースアップ等、経費の削減の効果もあり、利益は前期の2倍となりました。
今期ベルクスの業績が思わしくない中、連結での決算においては、子が親を助ける効果となり、全体の業績の底上げに繋がりました。
いつもはその逆の場合が多いのですが、助けられたり助けたり、ベルクスもオークもプラッツも、それぞれ担当分野は違っても、全体としては一体感を持って、臨機応変、部署を超えた協力体制を取り、成果を上げていかなければなりません。
今期は本体のベルクスが成績不振で、オークの助けもありましたが、
連結においても、前期に対して大幅なマイナスとなりました。
利益配分はできませんが、先月社長の朝礼で話しました、今年の昇給率は、全体平均で2%としていましたが、2%から2.5%に引き上げて昇給しています。
すでに7月の給与明細でご承知の通りです。
これにより、固定費の会社負担は年間約800万円の増加となります。
生産性を上げて利益を上げなければ、昇給もできません。今年の全国平均の昇給率は、1.7%だそうです。確り働いて下さいね。そして来年も世間並み以上の昇給をしたいものです。
話しは変わりまして、7月の5.6の土日を利用して、雨の中、五洒会の河村機械(*3)の河村社長以下6名の方との、オートバイでの交流会を実施しました。
出会いの場所は相良の油田(*4)です。
5日の土曜日の東京は大雨で、中央道は土砂崩れで通行止めとなり、環八から東名を通って、夕方3時過ぎに油田に到着です。私達もオートバイで出迎えました。
幸い静岡地方は曇り時々晴れということで、油田見学の後、一緒に近場をツーリングしながら、私の自宅から、上朝比奈の古屋(詳細は「新"開拓農民"、心清々しく」に)に泊まることになっており、夜は相良の町で宴会です。
大変楽しい一時を過ごしました。
何故そういう事になったかといいますと、去年の夏、私達がツーリング途中で、河村機械花園工場近くで昼食を取り、草津へ行く話をしましたら、お互いバイク乗り同士で交流会をやろうという事になり、バイクに乗った河村軍団の出迎えを受け、昼食を一緒にしながら、大変お世話になってしまいました。そういう事で次は静岡でという訳です。
皆さんご承知の事と思いますが、私の趣味はバイクです。忘れもしませんが、私が中学生の頃、メグロ(*5)のオートバイの後ろに乗せてもらい、第一京浜の三車線の一番右側の高速車線を悠々と走った時の感動は、忘れられませんでした。
当時はまだ車も少なく、三車線は高速車が一番右のセンターライン側、真ん中が中速車、左側が低速車となっていました。高速車は乗用車と大型オートバイ専用でした。
他に走れるのは、パトカーと白バイぐらいです。
トラックが右折する時以外に走ったりすると交通違反でした。
あの時私はいつか大型オートバイを持って、
日本中を走ってみたいと夢を持ったのです。
免許年齢に達して初めて取った免許は、大型オートバイの免許でした。しかし大型オートバイは当時乗用車よりも価格が高く、初めは50ccのホンダスポーツカブ位しか乗れません。
ある時、質流れの旧型のホンダドリーム300ccを買って、時速100キロも出すと車体がバラバラになるかと思う程、振動が激しくてとても走っていられません。
夢は持ち続けると、必ず実現できるものです。
免許を取って夢が叶ったのは、10年ぐらい後でした。
それ以来今日まで、バイクで走った距離は50万キロを越します。
バイクは危険な乗り物だとの認識が一般的ですが、そんな事はありません。
確りとした心構えを持って正しく乗れば、安全で快適で楽しいものだという事は云うまでもありません。
現在私は車重300㎏から400㎏という大型オートバイを数台持っています。
取り廻しは大変ですが、大型オートバイの方がより安全です。
実は健康のためにも良いのです。
1日300kmから400km、時には1000kmも走りますと、全身心地よい疲れが残ります。後は酒でも飲んで、温泉にでも浸かれば翌朝スッキリ、又走りたくなります。
ストレスなんかなんのそのです。
オートバイの操縦は、基本的にはバランスです。
バランスを取るためには、全身の筋肉を使います。
ですから、運動にもなっている訳です。
オートバイは運転ではなく操縦です。私は勝手にそう決めています。
本当に操縦と云えるのは、飛行機ですが、今の大型の飛行機はコンピューターの自動操縦ですから、人が操縦しているのは離発着の時と非常時だけではないかと思います。
小型のセスナか昔のゼロ戦なんかは完全な操縦ですね。手繰りあやつりの世界です。
つまり三次元なんです。
三次元トランスファープレスを思い出してみて下さい。
動きは前後、左右、上下ですよね。だから三次元なんです。
この世の中はすべて三次元なんです。
四次元はオバケの世界、車の運転は二次元です。
動きを見れば分かります。前後、左右にしか動けません。
ガケから墜落すれば2.5次元です。
その時は命が無いと覚悟しなければなりません。
その点では、バイクは2.5次元の乗り物と云えるかもしれません。
なぜならカーブを曲る時、車体を倒しバンクしなければ曲がれません。
車のようにハンドルを切って曲がれません。慣性に逆らってコーナーを廻りこむには、スピードとコーナーRによって車体を倒し込む角度が重要になってきます。
これを計算ではなく、感性を働かせて瞬時に実行しなければなりません。
原則バックギヤーはありませんから、後退は手動です。
ですから、前後、左右、角度がついて、2.5次元で走ります。
車と違って死ぬ事はないのですから安全です。
だから私はバイクは危険だという人がいれば、車も走り方によっては走る棺桶だと詭弁を弄しています。
車の運転は運動になりません。バイクは運動にもなるし、健康にも良いし、精神的ストレスも解消できてプラスアルファーの世界なんです。
さて、大分手前味噌の能書きを話してしまいました。
河村軍団が古屋に泊まって翌日の日曜日は9時出発です。続々とベルクス軍団のバイクも集合してきました。合計18台になります。行く先は掛川の大日本報徳社です。
近いので皆さんも見学してみて下さい。
報徳運動は、明治維新の前後の日本の近代化に、
二宮尊徳の唱えた報徳思想の普及をめざし、道徳と経済の調和を説き
、多くの人の救済をはかり、全国に広まりました。
実際に今もその活動は続いています。その活動の中心が、
掛川の大日本報徳社なのです。驚きでしょう。
皆さんも知っていると思いますが、二宮尊徳は、幼い時は金次郎といい、
少年時代に両親と死別、以後貧しい暮らしの中で勤労に励み、
独学で豊かな見識を育み、全国各地の600以上の貧しい農村の経済を立て直しました。今も小中学校の校門をくぐると、二宮金次郎の像が残っている学校もありますが、戦前はすべての学校にありました。
教科書では必ず金次郎の教えを習っていましたが、戦後はGHQによって廃止されてしまいました。
何故かと云えば、こんな教育をされたら又日本は立ち直って力をつけてくるのを恐れたからだとも云われています。
今は亡き松下幸之助や豊田佐吉初め、多くの名経営者といわれた人達もこの報徳思想を取り入れて事業を成功させているのです。
報徳の教えは何かというと、四つの柱で成り立っています。
それは、至誠(しせい)、勤労(きんろう)、分度(ぶんど)、推譲(すいじょう)といいます。
「至誠」とは、お陰様でという言葉がありますが、これは多く人や物によって、自分は生かされているんだという自覚に立ち、真心を持って誠心誠意、心を込めて物事に対応することによって、自他共に精神的な豊かさをもたらすという教えです。
「勤労」とは、単に収入を得るため、食べるために働くのではなく、天や、地や、人の徳に感謝しながら働くことが大切だと教えています。仕事を通して自己を高め、知恵と力を惜しまず、常に工夫し、前向きに、小さなこともおろそかにせず、積み重ねが大切です。これを積小為大(せきしょういだい)といいます。
「分度」とは、尊徳の独自の考え方で、収入が少なくても多くても、自己の力量とものごとの関係を良くわきまえて、自分の暮らし方や収支をバランス良く節度を保ち、たとえ収入が少なく貧しい暮らしの中でも、必ず貯蓄をし、いざという時に備えるということです。
「推譲」とは、分度の計算を正しくすれば、多くの人は、自然、歴史、社会、両親からもらったものの方が、あげたものより多いことが分かる筈です。そこで蓄えたお金や力を世のため、人のために使うことを推譲といいます。
尊徳は、農村の再建にあたり、殿様や武士が増産分を農民に譲り、農民は貯蓄と将来の土地改良費や、後継者に推譲することを進め成功しました。
このようなことを深く理解し実践できたら、人生の成功は間違いありません。夢も実現し、事業も成功します。何より社会や国家が良くなり、みんなが幸せになることでしょう。
しかしながら現実社会を見ると、物質的には豊かになったのですが、自己中心で思いやりもなく、貧富の差も拡大し、努力もせず、不平不満ばかり、口先だけで権利ばかり主張しているようなところがあります。
便利さを追いかけ、浪費ばかりしているような生活を反省しなければなりません。そんなことを考えさせられました。
大日本報徳社に行きますと、正門には二つの石柱が建っています。
向かって右側には、道徳門、左側には経済門という字が刻まれています。
報徳の教え、「経済道徳一円融合」を象徴しています。その意味は、道徳のない経済は罪悪であり、経済のない道徳は寝言である、といっています。
正面には大講堂が見えます。これは国の重要文化財に指定されています。他にもいくつもの由緒ある建物がありますので、ぜひ一度出掛けてみて下さい。
私達バイク軍団18名は、加藤会計の加藤所長の案内で、2時間程見学し、河村軍団を新東名、森掛川インターまで見送り、午後流れ解散となり、お別れしました。
後日、河村社長さんから、大変勉強になりました。もっと多くの社員を連れてくれば良かったと丁寧な礼状をいただきました。
さて、日本では近くて遠い国、お隣の国を韓国、中国と表現していますが、
天の邪鬼な私は、そんなローカルな表現はやめて、せめて言葉だけでもグローバルで表現したいと思います。
朝鮮半島は、戦後北と南に別れて、北は北朝鮮、南は韓国といいますが、
戦前までは日本でした。日本が戦争に敗けて、北と南に別れて独立したのですが、
朝鮮民族にとって、民族が分断された不幸は同情しますが、中国と共に、
反日国家となっていることは残念に思います。
グローバルな表現では、朝鮮はコリアといい、北はノースコリア、
南はサウスコリアで中国はチャイナです。日本以外の国では、それが常識です。
それでは、サウスコリアが0で、チャイナが9、インド3、
日本3,000という数は何のことだと思いますか?
何とこの数字は、創業以来200年以上の歴史を持った老舗企業の数だということです。
それにしても日本の老舗企業の数は、圧倒的に多いという事が分かります。
創業54年等といえばまだヒヨコですね。
世界最古の老舗企業は飛鳥時代の創業で、大阪で建築業を営む金剛組という会社です。創業から1,436年ということです。今もお寺や神社等の建築にはなくてはならない会社です。
日本では100年以上の歴史を持った企業の数は10万社を超えています。
その内の約半数は製造業とされ、日本の老舗はものづくりによって、生き永らえてきたといえます。永い風雪に耐え、老舗企業となるには、どのようにしたらそうなるのか、ということを研究している人がいます。
拓殖大学教授の野村進さんは、『千年働いてきました』という本の中で、
その条件をこのように書いています。
①志を持った企業、②適応力、③許容力、④本業重視と分相応。
そして「儲かること」と「世の中の役に立つこと」のどちらをとるかと問われれば、例外なく後者を選ぶだろうと結んでいます。正しく報徳の思想なんです。
私達の会社も大変厳しい経営環境の中で、しばらくはマイナス成長も覚悟しつつも、
そうならぬよう心ひとつに努力を続けて行きましょう。
毎年この8月の朝礼の後には、永年勤続表彰並びに無事故無違反表彰が、就業規則に従って表彰されます。今年はそれぞれ10名の方々が居られます。
黙々と努力を重ねたであろこうとに敬意を表します。
10年、15年、20年と5年毎の節目に表彰されるのですが、
今年は30年という人が永年勤続に1名、無事故無違反でも1名います。
30年の人は、5年毎、連続5回目の受賞となります。
後程発表されますが、受賞者全員に盛大な拍手をお願いします。
受賞を機会として、決意も新たに他の社員の模範となるよう今後共よろしくお願いします。
新入社員を初め、入社間もない人は先輩社員に見習って後に続いて行くことを期待しています。
これで創立記念朝礼での私からの話しは終わりますが、真夏の暑さの中ですが、
安全作業と健康管理には充分に気をつけて下さい。
週末の納涼祭は私も楽しみにしています。元気でみんなで英気を養いましょう。(*6)
【注 釈】
*1、八百万(やおよろず)の神 自然のもの全てには神が宿っていることが、八百万の神の考え方であり、欧米の辞書にはShintoとして紹介されている。日本では古くから、山の神様、田んぼの神様、トイレの神様(厠神 かわやがみ)、台所の神様など、米粒の中にも神様がいると考えられてきた。自然に存在するものを崇拝する気持ちが、神が宿っていると考えることから八百万の神と言われるようになったと考えられる。(インターネットの百科事典ウィキペディアより2014.8.22)
*2、五つの禁句 「出来ない」、「忙しい」、「聞いてない」、「後で」、「言い訳無用」の五つ。「それを云ったらおしまいよ」というマイナス思考の言葉。
*3、株式会社河村機械工業所殿
*4、相良の油田 相良油田(さがらゆでん)は、現在の静岡県牧之原市西部にあった油田。日本では太平洋岸唯一の産油地だった。1980年(昭和55年)11月28日には静岡県指定文化財(天然記念物)となり、今では「油田の里公園」として周辺が整備されている(インターネットの百科事典ウィキペディアより2014.8.22)
*5、メグロのオートバイ 目黒製作所 (めぐろせいさくしょ)は、かつて日本に存在したオートバイメーカーで、「メグロ」の通称で知られる。第二次大戦前からの日本メーカーとしては最も長く活動していたが、川崎重工業に吸収された。メグロが開発したロータリー・チェンジ式4速足動ミッションは現在でも多くのビジネスバイクで採用されている。(インターネットの百科事典ウィキペディアより2014.8.22)
*6、この年の納涼祭は迫りくる台風11号のため中止となりました