平成23年 終礼



平成23年度 終礼

3.11  この未曾有の大災害を経験した年に思うこと



平成23年12月28日(水) 午後3時より 於:厚生棟大会議室


終礼の日となりました。年末年始の7日間の休みを前にして、
今年を締めくくる日を迎え、1年の月日の流れの早さを身にしみて感じます。
それだけ今年は大変なことが多かったからでしょうか。
考えさせられる出来事も多かったし、やることも多くあったように思います。
私にとってもこの1年はとても早く感じました。皆さんはどのように感じていますか。

何はともあれ、共にこの大変な1年を乗り切り、
年末を迎えることができた事を感謝いたします。お疲れ様でした。



先日発表された、今年を代表する一字漢字は絆」でした。
今年こそ親子の絆のように、
人間社会の絆の深さを感じさせた1年はなかったように思います。
それは当然、東日本大震災における、
人の痛みや悲しみを自分のことと感じる日本人の感性、
その上で取乱すことのない冷静な行動は、世界中の人々を感動させました。

恥を知る日本人は、人前では泣きません。特に男子は人前で滅多に泣きません。
そんなことは恥かしいことだと、教えられているからです。
それから人に迷惑をかけてはいけないということも
子供の頃に確りと教育されたものです。

そして悪いことをすると、誰が見ていなくとも、お天道さまが見ているよ。
夜はお月さまが見ているよ。仮にお天道さまやお月さまが雲にかくれても、
自分自身が見ているよ。天下に恥じない生き方をしなさいと、
少しでも悪いことをすると、耳にタコができる程叱られたものです。
修身の教育ですね。道徳教育です。

60年前までは、必修科目でしたし、世の中の常識でした。
戦後教育は民主教育で、権利意識が強く、
義務や責任については弱い教育だといわれています。

確かに教育によって利口にはなったのですが、
人としての基本ができていないものですから、大王製紙の三代目の会長のように、
会社の金をまるでティッシュペーパーのように使いこみ、
90億も100億もガジノでスッてしまったというウソのような話しもありました。
彼は東大卒だそうです。そんな人もたまにはいるのですね。あきれて物もいえません。

話しが脱線してしまったようですが、
そうはいっても東日本大震災における日本人の姿は立派なものです。
世界中の人が感動と称賛をしたようです。必ず復興するはずです。
そのために少しでも力になってあげたいと思うのが人情というものです。

私はあの東北の日本人の姿を見て、昔の教育は立派に生きているんだ。心ある人々の中に、今の教育にはなくても、ちゃんと遺伝子の中で生きているんだ。と、日本人としての誇りを感じました。

世界中でそんなことのできる国民を持った国家はひとつもないと云っても
過言ではありません。そのような絆を持った、日本人同士が力を合わせて、
日本の文化を、恥の文化を自信を持って世界に広めていけたら、
素晴らしいことだと思います。微力ながら実践を通して、
その絆を深めていかなくてはと考えています。




私の話を聞かなくとも皆さんも共感してくれるものと思います。
大きな国難に出会ってしまったのですが、明日は我が身と思いこの教訓を生かし、
災い転じて福となす、の言葉もあります。取り返しのつかない大災害でしたが、
乗り越えていかなければならないのです。そうでないと死んだ人も浮かばれません。

今年流行った言葉の中で、想定外というのがあります。
童話の中にアリとキリギリスの話しがありますが、想定外などと、
責任逃れをいう人は、何の備えもなく、その日その日を、
安閑と暮らしているキリギリスのような人の言葉です。
備えあれば憂い無しといいますが、私達はアリさんのように、
厳しい冬に向けて、着々と備えておかねばなりません。

今、日本の政府は、バラマキの果てに大きな借金を作り、増税をしようとしています。日本だけではなく、世界の国々が借金暮らしで破綻寸前です。どうしてでしょうか。
民主主義は国の指導者に、それを望んだからでしょうか。
だとすれば、選挙する人々は皆、キリギリスのような人が多かったとしか思えません。

私達は突然に襲う不幸や災難に対して、
日頃からの備えを万全にしてゆく必要があります。
楽しみは後にして、着々とその準備をしましょう。

その準備をしてゆく中にも、充分に楽しみはあるものです。
そして何事か起こった時にも、平常心でいられるようにしなければなりません。



私事になりますが、10月30日に母が亡くなりました。脳梗塞でした。
大正生まれで94歳、大往生でした。年配の社員の方々は、
若かりし時の姿を充分に覚えて居られることと思いますが、
会社の創業の時は43歳でした。創業当時は、正に粉骨砕身、
一家の主婦として、又事業を手伝い仕事の鬼のようでした。

住み込みの社員が多い時は7人もいました。
食事の世話から洗濯まで、家族同様に面倒を見てくれました。
そうした中から、若い社員が育って、後の幹部社員となっていったのです。
今日の会社の基礎を作った人です。

お蔭様で晩年は幸せに暮らしていましたが、3年程前にも軽い脳梗塞で、
多少体が不自由にはなったのですが、概ね元気にしていました。
突然倒れて、3日後に亡くなりました。

90才を過ぎた頃から、充分長生きしたのでこの上は皆さんに迷惑をかけないように、
死んだら近くの親族だけの家族葬で、静かに送ってもらいたいと私に話していました。そういう訳で、皆様とのお別れの仕方も、不十分なところもあったかと思いますが、
ご理解をいただき、又通夜、出棺の際には忙しい中、
代表社員に丁寧なお見送りをしていただいたことに対しまして、
この場を借りてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。



さて話しは変わりまして、今年の業績については、
すでに11月の朝礼で社長より説明があった通りです。大変良い結果となりました。
ほぼ計画通りの成績で50期を終了致しました。
これもひとえに社員の皆さんの努力の成果と感謝致します。
3月の大震災の影響で、期中10日程の操業短縮もありましたが、
後半は盛り返しました。各部署毎の業務実施計画も、100%達成部署が出ました。
全部署共、TPM活動も含め、好成績で終了したことも業績に反映したのだと思います。

その中で最も良かったことは、TPM品質目標の達成部署が、
全8部署中7部署もあったことです。残念ながら1部署だけが、
このTPM品質目標をクリアできなかったのですが、部署名はここでは申し上げません。大変厳しいTPM目標は、1項目だけでも85点以下の評価が出ますと、
不合格となってしまいます。しかしながらその他の項目では充実した内容となっており、立派な成果を上げています。胸を張って前進してほしいと思います。

このTPM活動では、パーフェクトの100点満点の部署が3部署も出ました。

その内の1部署は、業務実施計画でも100%の達成と、
オールパーフェクトとなりました。過去始まって以来のことでした。

慰労会はさぞ盛り上がったことでしょう。私は残念なことに参加できませんでしたが、管理部門の慰労会には参加しました。
大変和やかで、楽しい慰労会は時の経つのも忘れてしまう程でした。
会場となった店の好意で、時間延長となりました。
有意義なコミュニケーションの場となり、
お互いに明日の英気を養うことができたことと思います。後で聞いた話しですが、
店の人も色々な会合がありますが、あんなに多人数でも、
ひとつにまとまって和気あいあいとした会合は見たことがないという話しでした。

残念なことに同時に別の場所で開催した製造部門には私は参加できなかったのですが、後で様子を聞いたところ、同様に素晴らしい会合であったとの話しなので大変嬉しく思いました。

発表会直後の熱の冷めないうちの慰労会だからかなあと思いきや、
後日開催の技術部門も、同じようにできたとのことです。私はそれを聞いて、
それはそうだろう、オールパーフェクトの上、改善提案でも金賞を取ったのだから、
発表会直後にやったら、ハヤブサのように燃え尽きてしまうだろうと云いました。

そういった情景からも、
社員全体が目標に対して心ひとつになって仕事に取り組んでいることが良く分かります。苦労した後に、仲間と飲む酒はうまいですね。今後共よろしくお願いします。

今年の月次品質状況は、毎月の朝礼のトップに、
品質管理部の中村部長より報告があります。クレーム0の月が3回ありました。
12月は残念なことに3件出してしまったようですが、4月、8月、11月は0でした。

特に先月の11月は、全国品質月間ということで、
お客様も気を入れた検査体制であった中のクレーム0は立派でした。
しかし、3回の内2回は前期の成績です。
今期に入ってはまだ、11月の1回だけと考えると、
今期はよほど頑張らないといけません。
是非とも前期に倍する成果を上げたいものです。
品質管理部署にも人材が一人増えました。
早く戦力となって、目標を立て、達成して行けるよう期待しています。



今年1年を振り返ってみますと、厳しく大変な1年でした。
つらい事や、悲しいこともありました。この終礼では敢えて話しませんでしたが、
一人一人の胸にたたんで、先程話しましたように、そういう突然に襲われる、
不幸や災難に対して、日頃の備えを万全にしてゆかねばならないという事を教えられた1年だったのではないかと思います。

ここで云う備えとは、物質的なものばかりではなく精神的な心の備えも含めて、
強くならなければならないと云うことです。

東日本大震災における、地震、津波、そして東京電力福島原子力発電所の人災は、
9ヶ月が経ってやっと冷温停止が発表されました。
廃炉までは、少なくとも40年はかかるといわれています。
半径20km圏内の人々はいつ家に帰れるのでしょうか。
このことは私達日本人の価値感を変える出来事でした。



終わりになりますが、今年はみどり会の第16代会長、副会長の任期満了に伴い、
次の会長、副会長を選任しなければなりません。
現会長は不安定狭心症のため心臓のバイパス手術を受け、自宅で療養中ですが、
順調に回復しているとのことです。現場復帰は後1ヶ月程かかると思います。

11月17日に気分が悪くなり病院で検診中に発作を起こし、たまたま専門医にあたり、
翌日に手術を受けることが出来たことは不幸中の幸いでした。
日頃の行ないが、きっと良かったのでしょう。
みどり会行事の12月の忘年会は副会長の河原﨑さんが立派に代役を務めていただきました。ありがとうございました。合わせて今年の役員の皆様にも感謝いたします。

次の会長、副会長もすでに内定し、
この終礼時に社員の皆さんの承認があって決定となりますので、
よろしくお願いします。

それでは第17代の会長には、製造3の天城リーダー、副会長には営業業務の岡村さんを会社より指名させてもらいます。
よろしかったら拍手をもってご承認をお願いします。 (拍手) 
ありがとうございました。

それでは、新会長の天城リーダー、副会長の岡村さん、
来年からの2年間よろしくお願いします。


これで、平成23年の終礼とします。この1年の皆さんの協力に重ねて感謝いたします。ありがとうございました。それぞれに良い年を迎えて下さい。





◆編集者より。平成23年(2011年)はこんな年でした。
【十大ニュース~朝日新聞・産経新聞編~】
1位 東日本大震災発生 3月
2位 福島原発で高濃度放射能 3月~
3位 なでしこジャパンが世界一 7月
4位 ビンラディン容疑者を殺害 5月
5位 タイ、洪水で甚大な被害 7~10月
6位 カダフィ大佐が死亡 10月
7位 地デジ移行 7月
8位 大阪ダブル選挙、維新圧勝 11月
9位 スティーブ・ジョブズさん死去 10月
10位 タイガーマスクのプレゼント 1、2月


2011年12月30日